リスクマネジメント
事業等リスクへの対応
当社グループは、国内外において生産財関連事業及び消費財関連事業を展開しており、様々なリスクが存在しています。これらのリスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスクを以下に記載しています。当社グループは、必要なリスク管理体制を整備し、継続的にリスクの見直しを行い、これらのリスクに対して適切な対応方針が策定・実行されているかを取締役会等において評価しており、リスク発生の回避及び顕在化した場合の適切な対応に努めています。
重要なリスクとその対応策
リスク大項目 | ||
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リスク中項目 | リスクの詳細 | リスクへの対応 |
(1)事業環境等に関するリスク | ||
① 景気変動 | 企業の設備投資マインドや個人消費の動向による需要の大きな変動 | 多様なニーズに応えた専門性の追求海外展開加速による新市場の開拓 |
② カントリーリスク | ロシア、ウクライナ情勢等政治・社会情勢によって生じる仕入コスト及び物流コスト高騰並びに商品供給遅延 | 適切なカントリーリスク情報の適宜入手 |
③ 為替変動 | 大幅な為替変動進行時の、多額の為替差損益の発生や当社取り扱い商品の買い控えによる売上の減少等 | 外貨建て輸出入取引に対する為替予約等の実施 |
(2)事業運営に関するリスク | ||
① 新たなビジネスモデルへの対応 | 事業投資により想定した期待効果が得られない | 事業投資枠に基づく施策の実施 |
② 人財確保と育成 | 少子高齢化や労働人口の減少等により有能な人財獲得が困難となる | 人財マネジメントポリシーに基づく戦略立案・実行女性活躍をはじめとしたダイバーシティの推進 |
③ 与信 | 多様な営業活動を通じた国内外の取引先に対する信用供与予想外の事情等による取引先における債務不履行等の発生 | 社内管理規程に基づく与信管理の実施 |
④ 製造物賠償責任等 | 大規模なリコールや製造物責任賠償発生時の、多額の解決費用の発生や企業ブランド価値の毀損 | 品質管理規程の制定及び品質管理・PL委員会の設置製造物責任賠償責任保険への加入緊急時の体制としての危機管理委員会設置 |
⑤ 情報システム及び 情報セキュリティに関するリスク |
不正アクセス等による個人・企業情報の漏洩・改竄・消滅システム連携業務の停止による機会損失や社会的信用の失墜 | 情報システム管理規程や情報セキュリティ管理規程の制定情報セキュリティ強化、バックアップ体制構築定期的な社員教育実施 |
(3)その他のリスク | ||
① コンプライアンス | 公的規制違反時の、監督官庁による処分、企業ブランド価値の毀損、社会的信用の失墜国内外における公的規制の新設等による公的規制への抵触 | 内部統制委員会及びコンプライアンス委員会の設置山善グループ企業行動憲章の制定・順守 |
② 株価変動 | 保有株式における市場価格の変動に基づく株価変動株式市場の低迷による当社グループの年金資産価値の毀損 | すべての保有株式についての保有妥当性の定期的な確認及び縮減等の見直し実施 |
③ 固定資産の減損 | 経済環境動向や経済価値の低下による必要な減損処理の実施 | 設備投資枠に基づく施策の実施 |
④ 自然災害・疫病等 | 大規模自然災害やパンデミックが発生した際の被害サプライチェーンが分断された際の商品納入遅延新型コロナウイルス感染症拡大による大型展示商談会の中止 | 事業継続計画(BCP)の策定等の対応の推進サプライチェーン全体(中小企業対象)でのBCP導入支援危機管理委員会等による変化に対応した取り組みの実施 |
⑤ 気候変動リスク | 自然災害による物理的リスク法規制強化やサプライチェーン規制による販売機会損失不十分な社会課題への取り組みによる社会的信用低下 | グローバルな省エネ機器の普及促進GRB(グリーンリカバリー・ビジネス)部の設置による再生エネルギー事業への参入 |
事業継続方針
株式会社山善およびグループ会社(以下、「当社グループ」といいます。)は、工作機械・産業機器・機械工具など、わが国産業の根幹である“モノづくり”をサポートする生産財関連分野、ならびに人々の暮らしに役立つ住宅設備機器・ホームライフ用品を提供し、“快適生活空間づくり”を提案する消費財関連分野において、国内外に事業を展開する専門商社であり、これらの事業が中断した場合、当社グループの製品ならびにサービスを利用されているお客様に多大な影響を与え、お客様からの信頼を失うことが予想されることから、当社グループの事業を中断させる様々な脅威への対応として、この方針に基づく事業継続計画(以下、「BCP」といいます。)を策定し、社内外の環境変化に応じた継続的改善を行っていくことを宣言します。
1事業中断の防止ならびに是正
当社グループは、優先して継続・復旧すべき事業を明確にし、目標時間内にそれらの事業が復旧出来るよう、事業の中断に関するリスクを十分に認識及び分析し、必要かつ合理的な管理措置を講じ、緊急事態発生時の体制ならびに対応手順を事前に定めておくことにより、事業中断の防止を図ります。また、事業継続に影響を及ぼす新たな脅威を察知した際には、遅滞なく是正処置を講じます。
なお、現時点(この方針の最終改定日)での当社グループにおけるBCPの適用範囲は次の通りとなります。
BCPの適用範囲
- a)組織
- :株式会社山善およびグループ会社
- b)施設
- :日本国内の事業所
- c)事業
- :
生産財関連分野、消費財関連分野における“生産財・住設建材・家庭機器”に関する各種製品ならびにサービスの提供
- d)資産
- :上記事業にかかわる全従業者ならびに各種設備機器
2事業継続に関する意識と組織対応能力の向上
当社グループは、BCPに関する教育ならびに演習を定期的に実施することにより、事業継続に関する意識と組織対応能力向上を図ります。
3法令、国が定める指針その他の規範の順守
当社グループは、BCPの策定に当たり、事業継続に関する法令、国内外の指針、その他の規範等を順守します。
4お問い合わせへの対応
当社グループの事業継続に関するお問い合わせについては、次の窓口にて承ります。
事業継続に関するお問い合わせ窓口
- a)責任部門
- :株式会社山善 経営企画部
- b)住所
- :〒550-8660 大阪府大阪市西区立売堀2-3-16
- c)電話番号
- :06-6534-3060
- d)e-mail
- :bcp@yamazen.co.jp
5BCPの継続的改善
この方針を基本理念として策定するBCPについて、事業内容の変化、社会情勢及び内外から寄せられるお問い合わせの内容を十分考慮し、継続的に改善します。
当社のBCPについて
山善グループでは、事業を中断させる様々な脅威(自然災害、人為災害等)への対応として、2015年10月以降、主要拠点で事業継続マネジメント(BCM)の構築と事業継続計画(BCP)の策定を行い、社内外の環境変化に応じて継続的な改善に取り組んでいます。
◆BCMにおける取り組み
- BCP関連書類の見直し
(最新化) -
サプライチェーンに対する
事業継続能力調査の実施 - 教育訓練の実施
- 備蓄品や資機材の維持管理
◆BCPにおける取り組み
- BCP発動時における組織と
役割の確立 - BCP発動基準の設定
- 代替拠点の選定
- 出社帰宅基準の設定
- 非常招集の実施
- 安全確認及び避難の実施
- 安否確認の実施
- 応急処置及び救護・救助の実施
-
ハザードマップに基づく各拠点の
BCP対策の策定
◆危機対応ハンドブックの配布
社員の命と安全と生活を守るため、グループ社員全員に「BCP発動対応ハンドブック」もしくは、「災害対応ハンドブック」を配布し、災害発生時の連絡手段、安否確認方法等について周知徹底を図っています。
破れにくく水濡れにも強い、手帳等に挟めるコンパクトサイズのハンドブック
◆サプライチェーンにおける取り組み
山善では、自社グループのみならず、サプライチェーン全体でBCP導入を支援するべく、中小企業を対象としたBCP策定のワンストップ・サービス「BCP.ERS(ビーシーパース)」を展開しています。
◆外部からの評価
レジリエンス認証(※1)を取得・更新
事業継続体制の強化や、災害復旧活動への取り組み等が評価され、事業継続及び社会貢献の分野で「レジリエンス認証」を取得・更新しました。
※1 『レジリエンス認証』とは・・・
内閣官房国土強靭化推進室が制定した「国土強靭化貢献団体の認証に関するガイドライン」に基づき、「一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会」が、事業継続に関する取り組みを積極的に行っている企業等を認証する制度。
「ジャパン ・レジリエンス・アワード」(※2)
7年連続受賞BCP導入や被災地の復旧活動など、レジリエンス体制の強化に積極的に取り組んできたこと等が評価され、7年連続で「ジャパン・レジリエンス・アワード」を受賞しました。
※2 『ジャパン・レジリエンス・アワード』とは・・・
次世代に向けたレジリエンス社会構築への取り組みを、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会が表彰する制度。
- 主要拠点のBCP導入
- 「BCP.ERS」(※3)の提供
- 2016年の熊本地震での復興支援活動
- 主要拠点、物流拠点のBCP導入と導入後の見直し・訓練等の実施による体制強化
- レジリエンス認証の取得、「BCP.ERS」の全国展開等
- 各家庭のレジリエンス力を高めるコンセプト住宅「ZePlus」(※4)の全国展開等
- 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた事業継続強化プロジェクトの実施
- オリンピック・パラリンピック対策を活かしたCOVID-19対応事業継続強化プロジェクトの実施。
- コロナ禍におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)(※5)貢献プロジェクトの実施。
- レジリントな社会の構築に資する“知見”還元プロジェクトの実施
※3「BCP.ERS(ビーシーパース)」とは
中堅・中小企業を対象に、BCP策定コンサルティングから設備機器や備蓄品などの導入に至るまでワンストップでサポート。
※4「ZePlus(ゼプラス)」とは
「ZEH」(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の1つ上を行くプラスアルファのコンセプト住宅。優れた耐震性、省エネ性のみならず、ライフスタイル等に合わせた自由な住まいづくりを提案。
※5 ユニバーサル・ヘルス・ カバレッジ(UHC)は、すべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられることを意味します。「SGDs|目標3 すべての人に健康と福祉を」では、すべての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、UHCの達成が、ターゲットの1つに定められています。
「3つ星レジリエンスカンパニー」認定
上記の取り組みや実績が評価され、2020年2月に開催された、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会及び一般財団法人格付けジャパン研究機構が主催する「レジリエンス格付け」認定式において、「3つ星レジリエンスカンパニー」に認定されました。今後も当社は、独自の商社機能を活かしながら、国土強靭化に資する事業展開を行ってまいります。