モーやん経済哲学

激動の昭和をたぐいまれなアイディアとエネルギーで生き抜き
山善では毎年、新年を迎えるにあたり、社長が決定する「山善経営スローガン」というものがある。スローガンはポスターとなって社内の至る所に掲示されて、一年間、毎日の朝礼時に唱和されている。歴代のスローガンの中で、記録に残る一番古いスローガンは、「使命を数字化し、数字で応答せよ」。制定当時(昭和40年)の経済環境は、全国で倒産が相次など大変厳しい状況下にあり、当社においても経営体質の改善・強化の真っ只中であった。このような危機感を社員全員で共有していくための合言葉として採択したとされる。シンプルな表現であるが、企業における、また企業人として最も重要な使命をアピールしたものとして、今でも通用するスローガンである。山本猛夫はこういった簡潔でインパクトのあるキーワードを次々と作り出し、今でも私たちの心に刻み込まれている。

昭和41~50年

山本猛夫
昭和41年
使命を数字化し、数字で応答せよ
昭和42年
同じ失敗を2度繰り返すな
昭和43年
反省を生かすところに進歩あり
昭和44年
自らを谷底に突き落とし 這い上がる勇気を持て
昭和45年
求めて難に当たり 自らの能力に挑戦せよ
昭和46年
見るもの聞くものすべてを教訓として商売に活かそう
昭和47年
本年は思い切って悪いところを直してゆこう
昭和48年
商売は理論と行動の調和である
昭和49年
今日という日は昨日の続きではない 今日は明日の前日である
昭和50年
我々はプロの産業人である失敗の中から生き抜く教材を見出し他人に甘えることなく力一杯の努力をしよう

昭和51~60年

山本猛夫
昭和51年
燃えよプロ社員不況こそ自分をきたえる絶好のチャンスであり個性を活かす勝負どころである
昭和52年
私達は商売のプロ集団である逆境の中で心を磨き 苦難に耐えて仕事に生き抜こう 麦は踏まれて強くなる 人は苦難に打ち勝ってこそ 新しい能力が出るものである
昭和53年
切拓く活力人の価値はどう育ったかではない どう生き抜いたかである知識を自らの知恵で仕事に活かし 道を切拓こう
昭和54年
切拓く活力人は逆境の苦しみを得て 成長してゆくものである小さな試練を大切に活かし 切拓く活力をそだてよう
昭和55年
切拓く英知私たちは山善経営のパートナーである大胆に学歴や年功を能力開発に結びつけプロ社員としての責任を果たそう 職能人の生きがいは 高い目標 正しい報い 心の仲間が3原則である
昭和56年
切拓く商魂私たちは じゃが芋のように切られても 踏まれても 芽を出す商売人として高い目標に挑戦しよう 職能人は体力 智力 気力の勝負である
昭和57年
切拓く自律苦楽は人生航路の偉大なる学習である自習自得をくりかえしその中に本当の生き方を求めよう ライバルを求め モデルを求めて 自分のものにしてゆくことがプロの途(みち)である
昭和58年
切拓く固定観念私達は経済人である過去の常識や形式の50%を破壊し激動する経済の変化に即応しよう 習いぐせを捨て 自分の考えを実践して 批判をうけよう
昭和59年
切拓く人生私達の前には道はないが 私達の後ろには立派な道がある私達が乱況時代を生き抜くには 百難屈せずの自律のみである 教の時代から 世相は 育の時代へ急変している
昭和60年
切拓く経済思想今日という日は昨日の続きではない 今日があるから明日がある 私達は 智力気力を結集し 乱況経済に対応しよう

昭和61~平成 9年

山本猛夫
昭和61年
切拓く就業思想私たちは従業員から自業員に脱皮してゆこう命より業に従うだけでなく 自らの責任において自らで行動しよう
昭和62年
切拓く心根経済とは物と心の結びつきである自らの個性を七におさえ 三は相手の考えを勇気をもって取り入れよう 山善マンは苦に耐えて 不公正と闘う勇気を持て
昭和63年
切拓く職学力世界経済は 冷厳に変貌を続けている私たちは経済人として今こそ自分の持てる職学力を堅忍不抜の心で行動に生かし自律経営を全うしよう
平成元年
切拓く孝動力経済の流動変化に対応する唯一の策は過去の固定観念の50%を切り捨てて新しいものに換えていく勇気である 全社員 力をあわせて ゼウスプランを実現しよう
平成2年
切拓く心商力商いとは心の表現である常識的な合理性や経験があっても自分の心を商いに活かさない限り成果と人望は生まれない 全員で黄金のパートナーを組んで ゼウスプランを実現しよう
平成3年
切拓くフレンドシップ私たち山善マンは21世紀の経済潮流に対応して共存共生びの精神で社会的責任を果たそう 公正な給酬制度のもと我々は自業員として ゼウスプランを推進しよう