ドラマ どてらい男 ストーリー

関西テレビ開局15周年を記念して企画・制作された連続ドラマ。反響の多さに、3年半181回連続という記録を打ち立てた日本史に残る花登筺の傑作。

本編 どてらい男 1回~77回(放映1973年10月2日-1975年3月25日)

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昭和10年、金物の町・大阪立売堀の機械工具販売・前戸文治商店に丁稚見習いとして採用された福井県三方村出身の青年、"モーやん"こと山下猛造。同郷出身で裸一貫から起業し、立売堀でも指折りの問屋に育て上げた前戸商店の創業者・前戸文之助のような立派な商人になるという大望を抱いて意気揚々と働き始めたが、持って生まれたド根性と型破りな行動から郷里で"どてらい男"と呼ばれた猛造の新米丁稚らしからぬ言動は、店主の前戸をはじめ旧弊な商店の人間たちをとまどわせ、生意気だと先輩店員たちの反感を買う。中でも番頭の竹田は猛造を忌み嫌い、店から追い出そうと執拗にいやがらせをする。しかし、猛造は同郷で同僚の親友・尾坂や先代社長の娘・弥生、岡田支配人、女中のお秋といった理解者に助けられながら、持ち前の機転とがむしゃらな行動力で困難をひとつずつ乗り越えていく。

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兄の先代社長亡き後、店を継いだ前戸は、銀行で働いていたことを鼻にかけるものの商人としての才覚はなく、新町の遊郭で遊び回るため、前戸商店の業績は悪化の一途をたどった。店の先行きを案じた弥生は、前戸から勧められている竹田との縁談を断り、自ら店の経営に乗り出す。店での立場がなくなった竹田は店を辞めると言い出したため、営業成績トップの竹田に辞められては困ると、前戸は嫌がる弥生を説き伏せて竹田と弥生の結婚を決める。猛造は、女中のお秋と深い関係にありながら弥生と結婚しようとする竹田から弥生を救うため、前戸に直談判する。

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「あの竹田よりも、わしが倍売って倍儲けたら竹田とお嬢さんを一緒にさせるのをやめてくれ!」半年間で竹田の倍売り上げれば竹田と弥生の縁談を破談にするという約束をとりつけた猛造は念願の外交員になり、張りきって得意先回りを始めるが、営業の基本を知らないため、門前払いの連続で途方に暮れる。そんなとき、立売堀の外交の神様といわれ、"将軍さん"の異名を持つ凄腕の外交員・大石と知り合い、商いの厳しさを教えられる。掃除回りから地道に始めてサービスに徹した猛造は着実に得意先の心をつかみ、みるみるうちに売上げを伸ばして竹田の成績に肩を並べ、ついには追い越すまでになった。焦った竹田は、竹田の息のかかった店員の売り上げを自分の営業成績に加えるという姑息な手段に出て土壇場での巻き返しを図ったが、小細工はすぐにばれ、猛造は勝負に勝った。しかし、喜んだのも束の間、女手ひとつで店を切り盛りしようとした弥生は無理がたたって病に倒れ、入院した。肺病だった。「肺病の娘、おっつけられんでよかった」とくやしまぎれの暴言を吐く竹田は店をクビになる。

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戦争が激化してくる中、岡田支配人に召集令状が届き、出征するなど、立売堀にも戦争の影が忍び寄る。販売課長に出世した猛造は、軍需商品の需要が増えることを見越して、東京への販路拡張に意欲を燃やし、前戸の反対を押し切って東京営業に乗り出す。元々、東京の商いに乗り気薄だった前戸は、東京の営業にかかった費用を猛造個人に負担させる。以前から前戸の経営方針に不満を抱いていた猛造は、この一件で社長としての前戸に見切りをつけ、前戸商店を辞めて独立することを決意する。前戸から様々な妨害を受けながら1年間の御礼奉公を経て独立した猛造は弱冠19歳で「山全商店」を設立する。

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猛造の故郷では、猛造の母・よねが村一番の出世頭になった息子のために、福井の大手クリーニング店「兵庫屋」に嫁いでいる実妹の娘で猛造のいとこにあたる茂子との縁談を勝手に進める。そのころ、猛造に召集令状が届く。入隊を控えて故郷に戻った猛造は、茂子の幸せを思い、明日をも知れない自分との結婚はやめた方がいいと説得するが、茂子の嫁入りの決意は固く、猛造と茂子は祝言を上げる。

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翌朝、猛造が入隊すると、茂子は大阪・立売堀の山全商店に向かい、3人の丁稚と一緒に働き始める。一方、入隊した猛造は病気を理由に除隊になり、帰郷する。大阪に戻った猛造は茂子という最良の伴侶を得て、より一層商売に邁進する。猛造に恨みを持つ前戸は、経済警察に山全商店が軍の指定工場という名目で仕入れして闇取引を行っていると密告する。当時、闇取引をしていない問屋は皆無だった。

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そのため、経済警察に逮捕され、厳しい取り調べを受けても、猛造は立売堀の同業者を守るため黙秘を貫き通し、結局無罪放免になった。しかし、釈放された猛造のもとに二度目の召集令状が届く。今度は簡単には戻ってこれないと判断した猛造は山全商店をたたみ、同じく召集令状が届いた前戸に代わって前戸商店の看板を守るという尾坂に、必ず戻って来るからその日まで立売堀のことはまかせたと頼み、茂子にも、必ず生きて帰って来ると誓って出征する。

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猛造が二等兵として配属された部隊の班長・坂田軍曹は、元の職業は風呂屋の番台で、インテリや成功した人間へのコンプレックスが強かった。そのため、口の達者な猛造は早々に目をつけられ、ことあるごとにいじめのようなしごきを受ける。しかし、猛造は煙草で小商いをしたり、兵隊仲間と株式会社を作って金儲けを企てたりと、目端の効く商人らしさを発揮してしたたかに軍隊を生き抜いていく。
 戦争は日本の敗色が濃厚となり、本土は連日激しい空襲を受けるようになった。ついには大阪も大空襲に見舞われた。

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茂子の身を案じる猛造だったが、自身も激戦地の沖縄に送り込まれる。猛造たちの部隊を乗せた輸送船は鹿児島を出港し、南下する途中、アメリカ軍の潜水艦の攻撃を受けて沈没する。九死に一生を得て、沖縄に上陸した猛造たちの部隊はアメリカ軍との戦闘を開始する。しかし劣勢は否めず、猛造をはじめ生き残った日本兵たちは洞窟へ逃げ込む。絶体絶命のピンチに陥っても猛造の不屈の闘志は健在だった。
「こんなところで死んでたまるか。わいはやったるぞ!」