ドラマ どてらい男 ストーリー

関西テレビ開局15周年を記念して企画・制作された連続ドラマ。反響の多さに、3年半181回連続という記録を打ち立てた日本史に残る花登筺の傑作。

総決算編 どてらい男 156回~181回(放映1976年10月3日-1977年3月27日)

ドラマ 写真01

茂子の父・弥之助の危篤の知らせを聞いて福井へ向かった猛造と茂子は、電車の車中で広さんという風変わりな男と知り合いになる。広さんこと日野広之進は天才肌のケーキ職人で、物資が不足する大阪でケーキ工場を営んでいるという気骨のある男だった。広さんが作ったケーキを食べさせてもらい、そのおいしさに感動した猛造は、甘いもの好きの弥之助のためにケーキを買い取る。猛造が持っていったケーキを口にした弥之助は昏睡状態から奇跡的に意識を取り戻し、家族を喜ばせる。

ドラマ 写真02

福井の実家に残って弥之助の看病をするという茂子を置いて、大阪に戻った猛造には新たな問題が待ち受けていた。平和プレス産業のシャベル代金未払いの件は、猛造の機転で新製品の文化鍋と引き換えすることで話が付き、新製品が納入されることで天守産業倒産の噂も払拭された。ところが猛造の予想に反して、新製品の鍋は家庭用としてはサイズが大きすぎるためまったく売れなかった。元々の専門が機械工具なのに、専門外の家庭雑貨に手を出したのが敗因だった。売れない鍋を山のように抱えて途方に暮れる猛造だった。

ドラマ 写真03

弥之助は徐々に回復していった。茂子は年老いた両親のことを思い、兵庫屋を継ぐことを決意し、戦災孤児を引き取って従業員にする。猛造は、福井で家業と看病に奮闘する茂子に食べさせたいと広さんにケーキを注文する。そのケーキが猛造のもとに届けられた直後、地震が起きる。震源地は福井で被害は甚大だという一報に、猛造は茂子のことを気遣いながらも、震災なら炊き出しで大きな鍋が必要になると踏んで広さんのケーキと救援物資と一緒に大量の鍋をトラックに積み込んで、身の危険も顧みず福井に駆けつける。福井に着いた猛造が見た町は目を覆いたくなるような惨状だった。茂子の実家の兵庫屋も倒壊し、茂子は行方が知れなくなっていた。茂子は、地震で崩れた家屋の柱に挟まれた弥之助を助けようとして梁の下敷きになってしまい、重傷を負って臨時の診察所に担ぎ込まれていたのだった。茂子を必死に探し回った挙句、ようやく診察所に駆けつけた猛造を待っていたかのように茂子は猛造の手を握りしめながら静かに息をひきとる。

ドラマ 写真04

茂子の遺骨と一緒に大阪に戻る猛造。精神的な支えであり、苦楽をともにしてきた最愛の伴侶を失った悲しみと喪失感は大きかったが、涙を見せず強がる猛造を、親友の尾坂や従業員たちはハラハラしながら見守るしかなかった。
 
 
 

ドラマ 写真05

茂子の告別式の日、悲しみの淵に沈む猛造をあざけるかのように、紅白の花輪が届けられる。差出人はかつて猛造が勤めていた前戸商店の店主・前戸だった。一時は日雇い労働者にまで身を落とした前戸だったが、大手不動産会社を経営する佐々木に取り入り、ちゃっかり孫娘の婿になっていた。前戸の露骨ないやがらせに怒り心頭に達した猛造は、前戸が立売堀に設立する新会社の佐々木産業の開店の日に葬式の花輪を贈る。それまでの経緯を知らない立売堀の商人たちは、商人道義にもとる猛造の行為を激しく非難し、立売堀の連合会は退会処置をつきつける。そこに至って初めて、茂子を失った悲しみで自分を見失い、商人としてやってはならないことをしてしまったことを悟った猛造は、それまでのワンマン経営を深く反省し、しばらく従業員たちに会社を任せ、自分は広さんから依頼された進駐軍が保管するメリケン粉の入手に専念することにする。ところが猛造が広さんのために奔走している間に、天守産業は売上不振で倒産の危機に瀕していた。「打倒、天守産業」を公言した前戸が、天守産業が扱う商品を値下げして天守産業つぶしにかかったのだった。尾坂は猛造を助けるため、前戸の義父の佐々木に、これまでの前戸の悪行を洗いざらいぶちまける。以前から前戸の言動に不審を抱いていた佐々木は、前戸を佐々木産業の社長の地位から降ろし、自分が社長に就任して、取引先に天守産業を助けるように依頼する。この佐々木の働きかけで天守産業は危機を脱する。

猛造は生死が不明だった友子と偶然再会する。友子は夜の女になっていた。わざと蓮っ葉な女に振る舞ってみせる友子を見て、尾坂は友子への未練を断ち切り、好意を持っていた従業員の美香との結婚を決意する。

ドラマ 写真06

猛造の活躍で、思う存分ケーキ作りができるメリケン粉を入手した広さんは、来日するマッカーサー元帥に自作のケーキをプレゼントしたいという新たな相談を猛造に持ちかける。日本とアメリカを結ぶケーキの親善大使を自称して、尾坂の会社のトラックで、大阪からマッカーサーのいる東京へケーキを運ぶ広さんと猛造。マッカーサーにケーキを食べてもらえなかったものの広さんは元帥の誕生日ケーキを作ることになり、猛造はケーキの材料のココナツを仕入れるために尾坂とともにハワイに飛ぶ。ハワイで目にしたアメリカ製の機械工具の優秀さに感激した猛造は早速、製品を輸入する商談を現地で取り結ぶ。
「三方村のモーやんが立売堀のモーやん、大阪、日本、そして世界のモーやんになるんやな」と尾坂が言えば、「ロックフェラーに負け取られんぞ!」と猛造が応える。
 それから30年後、尾坂の予言通り、山下猛造は世界のモーやんになった。山下猛造は、正真正銘の"どてらい男"なのだった。