家庭機器事業部 第一商品統括部 商品企画1部 MD2課

村上 幸輔

Kosuke Murakami

パッと外せて、サッと洗える!

全分解サーキュレーターが空前の大ヒット!

敏腕MDが紐解く山善らしい家電とは

2024.07.08

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工業機械・産業機器、住宅設備機器などの専門商社でありながら、家電メーカーという新たなジャンルを切拓いてきた山善。その商品開発を担うのは、「MD(マーチャンダイザー)」と呼ばれるスペシャリストたち。自社工場でものづくりを行う一般的なメーカーの開発職とはかなり異なる山善の「MD」について、太陽光エネルギー活用で共通バッテリーに蓄電できる家電シリーズ「ELEIN(エレイン)」について先日発表した村上(夏物家電担当)に話を聞いた。

営業職11年を経て、全家電を生み出す少数精鋭チームへ

ELEINの新商品発表会、お疲れ様でした!

思ったより注目度が高く、ビックリしています。大事なのは、生活者の方々に実際に使っていただくことですね。

「ELEIN」記者発表会の様子はコチラ!
https://www.yamazen.co.jp/ybc/contents/entry-2106.html

ELEINのような生活者にとって身近な商品を取り扱う家庭機器事業部、その中でも中核を担う商品開発のMDとして活躍する村上さん。入社してからの道のりを教えてください。

商品開発というと理系のイメージがありますが、実は大学は文系学部の出身です。入社して家庭機器事業部の営業部所属になり、大阪で2年ほど内勤の業務担当を経験。電話を受けて商品を出荷したり、その時代はまだファックス注文が主流だったので、休み明けには1,000枚以上届いたファックス用紙を先輩ごとに分けて配ったりしていました。3年目から当時の大阪営業部で営業経験を積み、6年目で関東の家電量販店を担当する営業部に転勤。関東の担当は、大手家電量販店など大手企業ばかりで。プライベートブランド(PB)案件など得意先様と一緒に商品を作る業務にも携われて、商品部の方とも働けたのは学びが多かったです。スピーディな東京で揉まれて必死に過ごした怒涛の6年間があり、今の自分があると思えます。また戻れと言われれば、かなり気合いを入れ直さないといけませんね(笑)。


関東での6年間で、今も思い出す大変だった出来事は?

大変だったこと、めちゃめちゃあります。商品に不具合が出てしまうことだってありますし、出荷ミスも起こることがあります。ただ改めて振り返ると、問題が起こった時こそ、得意先様との絆を強めるチャンスだと思います。トラブルをどう乗り越えるのかに向き合う姿勢に、その人の本質が見えるのでしょうね。誠意を持ってきちんと対応すれば関係が崩れることはなく、むしろ深まることを知りました。その経験を通して、仕事のスピード感を上げることも常に意識していました。

2018年から商品開発部に配属となり7年目。現在、MDは何名ほどいますか?

家電のMDは6名、そのMDをサポートしてくれるアシスタントが4名います。MDはそれぞれ担当がありまして、 私で言うとELEINのほか、サーキュレーター、扇風機、コンパクトクーラー、衣類乾燥除湿機などいわゆる夏物家電がメイン担当。それと同じように電気暖房の担当とか、調理家電の担当などがいまして、それぞれ活動しています。

MDに必要なのは対応力とスピード感


山善で働くMDの特徴とは?

特徴は2つあると思います。まずひとつは、MD自らが直接、家電量販店などの得意先様と会話を重ねてニーズを汲み取ること。大手家電メーカーの開発担当者の方々は開発に専念し、社外に出向くことはないのではないかと思いますが、山善のMDはそうではなく、営業と一緒に商談に出かけることが非常に多く「対応力」が高いです。得意先様のニーズや新商品に関するヒントを吸い上げ、ダイレクトに開発に活かしていくスタイルです。
もうひとつは自社工場を持たないファブレスメーカーの強みとつながるのですが、商品開発における工場の選択肢が多いということ。安心して製造を委託できる海外の協力工場が数多くあり、それぞれの得意分野に合わせた商品開発を行うことで、商品の可能性を広げることができます。

委託する先のほとんどが海外の工場だということですが、MDに英語力は必須ですか。

それ、よく聞かれるんですけど、私は得意じゃありません。ですが、語学力は大きな武器であり今後は必要になってくると思います。ただ、それ以上に山善のMDとして絶対的に必要なのは、対応力。お客様の要望に細やかに対応していける力があれば、MDとして力を発揮できます。

山善の夏物家電の中で、看板商品とも言えるサーキュレーター。ひとつの商品開発にどれくらいの時間をかけるのですか。

毎年、夏物家電の新商品を納品するのは3・4月ごろ、現在(6月)はすでに2025年の新商品に関するプロジェクトが進んでいます。サーキュレーターに関しては構想から商品化するまでだいたい1年弱くらいです。大手家電メーカーさんと比べると、かなり早いスパンでものづくりが進んでいきます。どんどん新商品を扱えるスピード感も、私の性格に合っているなと思います。

「こうなればいいのに」を丁寧に拾い上げる


携わってきた商品の中で、特に思い入れのある商品は?

他社のどこよりも早く商品化し、累計販売数140万台を突破した「洗えるサーキュレーターシリーズ」でしょうか。数年前までは分解できないタイプが標準でしたが、生活者の方から「分解しやすく、洗いやすい商品がほしい」という声があり開発した、マーケットインの商品です。発売当初は、工具不要でパッとはずせて、サッと水洗いできる構造は画期的でしたが、多くのメーカーが追随したことで今は当たり前に。新たな商品価値を見出せたことに誇りを感じます。また、コロナ禍でおうち時間や換気の必要性が増えたこともあり、洗えるサーキュレーターは発売を開始した2021年から売上台数も右肩上がりで伸びています。

自分が携わった商品が店頭に並んでいるのを目の当たりにして、知人から「見たよ」「使ってるよ」と言われることも嬉しかったですね。

日本の扇風機としては、山善ブランドがトップクラスのメーカー。みんなが目にする、手にする機会が増えましたね。

少し前まで、世間が抱く山善のイメージって「安いから、買いやすい」だったのですが、最近は「品質が良く、他にはない機能があるから買いたい」に変化してきていると感じます。以前だと、販売価格が1万円以上の商品はなかなか量販店さんなどに受け入れてもらえなかったのですが、ここ数年で独自性のある商品を評価いただき、高コストのラインナップに対しても良い反応がいただけるようになりました。山善ブランドが確立し、信用度が高まってきているなと、嬉しく思います。


家電分野における山善らしさとは何だと思いますか。

日常生活で「ちょっとめんどくさいな」、「ここにストレス感じるな」と思う場面ってありますよね。それを解消してくれる家電が確実にヒットすると思います。洗えるサーキュレーターをはじめ、減煙焼き肉グリル、コードレスな「ELEIN」シリーズに共通するのも、「こうなればいいのに」の商品化でした。いちいち口に出すほどでもないけれど、毎回気になるちょっとした不満など、生活者の本音を地道に拾って、それらが解決につながるよう商品に落とし込むことが、山善らしさだと考えています。

山善_村上 幸輔
PROFILE
村上 幸輔

家庭機器事業部 第1商品統括部 商品企画1部 MD2課
2007年新卒入社。2018年から商品企画部配属。サーキュレーターや扇風機等を中心に、年間で約300点の商品を手掛ける敏腕MD。家電量販店クルーズはもはやライフワーク、家族と出かけてもつい家電のある場所に足が向いている。休日の楽しみは「家族と美味しい肉料理を食べること」。

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