モーレツ対談 歴史に学び、未来へ

株式会社 山善 代表取締役社長 吉居 亨氏
関西テレビ放送株式会社 代表取締役社長 福井 澄郎氏
大阪発の「元気」を発信 現場視点に徹し、イノベーションを実現
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吉居

 ピンチをチャンスに変えるために、本気で取り組むこと。私は「仕事は自分のためにするもの」と社内で徹底しています。自分のため、大切な家族や愛する人を幸せにするために仕事をする。自分のためだから一所懸命になれる。それが結果として、部門のため、会社のためになると。もちろん、私利私欲や利己主義の事ではありません。自分のためにがんばることで、本気度は増します。もう一つは、「恕の心」の徹底です。私は、人を大切にし、その幸せを重視した経営を信条としています。仕事や商売はどんな時代でも人と人とのつながりの上に成り立つものであり、相手の立場を考え、相手を思いやる心すなわち「恕の心」を大切にすることです。

福井

 放送メディアを志し、今日、一緒に仕事をするメンバーは皆、使命感を持って仕事に取り組んでいます。私も社内では、「仕事が楽しければ、自身の人生も豊かになる」と励ましています。テレビは時代を映す鏡と言われます。その意味で、「どてらい男」をはじめ、「昭和」をテーマとした番組や企画が人気を博し、ある意味でのブームになっていると思います。その背景には、閉塞感や不透明感に覆われた現在の状況を打ち破りたい、突破口を拓く人を求める期待感の表れではないでしょうか。今、何が起きているか、何が問題なのかをいかに探り、伝えるか―。地上デジタル化への完全移行などで、通信とのコラボレーションなどが不可欠ですが、新しいテーマをみつけ、スタッフが一緒になって誠実に番組を作っていくという姿勢の中で、番組の質の向上はもちろん、番組の作り手であり、情報の発信元である我々の士気も高まると確信しています。

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吉居

 ビジネスの世界でも、時代のニーズや変化に対し、スピーディに反応し、決断・行動することが求められています。当社では創業者の「モーやん」以来、毎年、グループの経営スローガンを定め、毎朝、唱和しています。今年のスローガンは、「私たちは 組織力をさらに高め 強い現場力と提案力で イノベーションを実現しよう」としました。4月からは各分野別の事業部制に移行するなど、創業以来の大きな組織改革を実行・実現します。徹底した現場主義と提案力を発揮し、イノベーションを起こすことで、新たな道が拓けると思います。

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福井

 テレビは時代や事実をいかに伝えるかが使命と言えますが、「夢」や「笑顔」を提供することも大きな役割です。しかし、今は「夢」が持ちにくい、「夢」が語りにくい時代というのが現状ではないでしょうか。閉塞感を打ち破り、「元気な日本」を築くためにも、「夢」の実現を目指すことだと思います。山善さんも、今年を「イノベーション実現の年」とされるとお伺いし、ぜひ、先頭に立って「元気」を発信して頂きたいですね。

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吉居

 人間、「夢」があるからこそそれを実現しようとして頑張るものです。「夢」があるから人生は面白いとも言えます。仕事の面でも、夢を持つことが大事です。私は様々な機会を通じて、「夢は、見るものでなく実現するもの」と語り、徹底しています。一つの夢が実現できたら、次の新しい夢に向かう。夢の連環で、人は成長し、進歩します。つまり、「夢は進歩のエネルギー源」と言えます。関西テレビさんには、元気の出る、「夢」のある番組を発信して欲しいですね。

福井

 ありがとうございます。私は年頭より、今年は関西、大阪が日本のホットゾーンになると訴えています。東日本大震災という人類史に刻まれる災害を経験し、あらゆる分野で東京一極集中が見直されています。また、大阪維新の会旋風に象徴されるように、全国が大阪の出来事や動きに注目し、多くの情報が、全国に向けて発信されています。その質も量も、従来を大幅に上回るレベルで、大阪への関心度、注目度、そして期待感が高まっています。実は、「大阪」を舞台としたドラマを企画しており、今年には制作・放映する予定です。今の段階で、これ以上はお話できませんが、「どてらい男」のような「大阪発の元気」を発信できる番組にしたいと思います。

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吉居

 大阪は当社の創業の地であり、関西テレビさんの地元です。商人の町であり、笑いの町です。元気に、笑顔で楽しめる番組制作を期待しています。本日はありがとうございました。

株式会社 山善