
2022.08.31
- 社員インタビュー
- for Recruit
【タイムカプセル対談】初めての大阪生活、営業デビュー後の気づき…入社当初から現在に至る、住建営業の成長ヒストリー
- 採用
- 住建事業部
- 営業社員
海外事業部 アセアン機械部 インドネシア(ジャカルタ駐在)
金屋 奈那/Nana Kanaya
ASEAN最大級の経済大国を切拓く
山善インドネシアのビジネス戦略と
現地で奮闘する若手セールス
2025.12.19
海外15ヶ国・地域、16現地法人、73事業所(2025年8月末現在)とグローバルに展開する山善の海外事業。中でもASEAN諸国最大の経済規模であるインドネシアは、次世代の大国として世界中が注視する国のひとつ。1万7,500以上の島々からなるインドネシアに赴任して5年。「島や遠隔地でご不便を感じていらっしゃるお客様の力になりたい」と営業活動に情熱を注ぐ、山善インドネシアの金屋奈那に話を聞いた。
金屋さんは学生時代から、海外勤務に興味があったのですか?
そうですね。就職活動の主軸にしていたのが「海外で働くチャンスがあるかどうか」でした。大学在学中にオーストラリアの長期留学を経験し、自分が知らない世界をもっと知りたい、海外で仕事をしたいという夢が膨らみ、就職活動をしました。海外資本比率が高いメーカーや商社に絞ってリサーチしていくうち、山善というものづくりに強い専門商社があることを知りました。
入社してからインドネシアに渡るまでの5年間、日本でどのような経験を積まれたのでしょうか。
今の海外事業部の機械部に配属され、ベトナムチームに所属していました。1年目、2年目のはじめはインサイドセールスとして、スペアパーツと呼ばれる保守部品など、比較的少額の部品を事務処理する業務に携わり、2年目の途中から3年目は、規模が大きくなり、高額な機械本体の輸出案件などを担当しました。具体的に言うと、日本のメーカーに注文書を出して、納品された商品をベトナムに輸出する業務です。海外輸出には経済産業省への書類作成も対応します。4・5年目になると、ベトナムチーム全体の状況把握をするようになり、ベトナムから来日されたお客様をメーカー様にお連れして、商談の立ち会いをするような役割も担っていました。
入社後も海外勤務を希望されていたそうですが、赴任先がインドネシアだと聞いた時はどんなお気持ちでした?
赴任のチャンスがあるならベトナムだろうと思っていたので、正直驚きました(笑)。でも同じASEANですし、それまで行ったことのない国だったからこそ、行ってみたいと思いました。インドネシアの人口は、インド、中国、アメリカに次ぐ世界第4位の約2億8000万人、若年層の労働人口率も高く市場は拡大しています。私の赴任が決まる前から海外進出する企業にとって、さまざまなビジネスチャンスが見込める国でしたし、魅力を感じました。
山善インドネシアではどんな事業を展開しているのですか。
約3,000社のメーカーを取り扱う専門商社として、工作機械とその周辺機器の販売、さらにアフターメンテナンスまで製造業のものづくりをトータルサポートしています。現在はジャカルタ、チカラン、スラバヤ、バタム島に事務所があり、4拠点合わせて60名ほどが勤務しています。これまでビジネスのメインは、日系企業の二輪・自動車でしたが、今は「脱ジャカルタ、脱ジャワ島」をコンセプトに、地方市場の開拓を推進するとともに、「業種拡大」として、エネルギー・医療といった新たな業種を開拓すべく、注力しています。
「脱ジャカルタ、脱ジャワ島」「業種拡大」について詳しく教えてください。
「脱ジャカルタ、脱ジャワ島」プロジェクトは、ジャカルタやチカランなど、経済の中心エリアであるジャワ島以外の地域を新規開拓する取り組みです。新規開拓先には日系企業もありますが、圧倒的にインドネシアの現地企業が多いですね。新規開拓となるといきなり(高額な)工作機械の引き合いは少ないため、私が所属している機械部の商材ではなく、工具商品など、少額のお取引で関係を築いていく所から始めています。私はインドネシア語が話せないので、現地企業の開拓では、インドネシア語を話す現地スタッフが担当し、メインで動いています。ただ、現地企業であっても、日系企業のサプライヤーであれば日本人の担当者がいらっしゃるケースもあるので、そういった企業は私が担当しています。
「業種拡大」は、二輪・自動車以外の新規企業の開拓です。私は、日系の建築機械を扱うメーカーを目標にアプローチしています。そのほか、医療や食品、エネルギーなど新たなマーケットにも注目しており、これだけの人口を賄っていくわけですからどのマーケットもかなり伸び代があると感じています。私の新規開拓は、ありがたいことに、すでにお付き合いのある企業からのご紹介が中心で、それに加えて、気になっている業界の展示会などにも足を運んでいます。後日、会社訪問をしてつながりをもてた企業とは、工具などの小さな引き合いからコツコツと、大事にやり取りしています。私は今、約120社を担当し、二輪・自動車メーカーとの関係を強化しながら、毎月新規企業からの受注1件を目標に活動しています。
「脱ジャカルタ、脱ジャワ島」の一環として、2024年にバタム島に事務所を開設したそうですね。
新たなマーケットとして、2024年7月にスラバヤとバタム島に新事務所をオープンしました。シンガポールから船で約50分のバタム島は、シンガポールに拠点を置く日系・外資企業の製造拠点として発展してきた経緯があります。一方で日々の工場で使用される工具などの消耗品関係について、供給が行き届いていないインドネシア企業も多いと聞きます。そのような細かなフォローを行うため、バタム島に進出することとなりました。日本のメーカーや機械工具商社がインドネシアにほとんど進出していない中、パートナーでもある日本の工具メーカー、そして山善のシンガポール現地法人と共同で展示会・セミナーを開催するなど、積極的に存在感を出すようにしています。社内外一体となり「チーム山善」として、ユーザーをサポートしていくことが今後必要になっていくと考えています。
「業種拡大」について、具体的な事例はありますか。
インドネシアは医療機器等の輸入規制が厳しく、インドネシア企業が製造を行っているという現状があります。スラバヤ支店で医療系のインドネシア企業に向けて、医療ネジを加工する工作機械を納入した実績も生まれています。
各地のさまざまな展示会に参加されているそうですね。
インドネシアに駐在する日本人ってまだまだ少なくて、韓国人5〜6万人、中国人約10万人に比べて、日本人は約1万5000人という状況です。インドネシアの展示会に参加しても、中国、台湾、マレーシア、韓国などの企業が多く出展されていて、日本の専門商社はまだまだマイノリティだと感じます。だからこそ山善だからできることを追求し展示会に出向いて、日本製品の良さをインドネシアの現地企業の方々に、広く知ってもらいたいと考えています。
山善インドネシアの強みはどんなところにあるとお考えですか。
インドネシアには日本のメーカーがあまり進出しておらず、展示会でも中国や台湾などの機械が多く並んでいます。導入時のコストで見ると中国や台湾製に目がいきますが、日本製は耐久性が高く、中には20〜30年使える機械も珍しくないため、ランニングコストは安くなります。さらにインドネシアスタッフ約60名のうち、約15名がエンジニアです。エンジニアによるアフターメンテナンスや故障した際のサポート体制などの充実ぶりは、日本企業の中でも、山善独自の強みだと思います。
そのほか、機械在庫をインドネシアで所有していること、ショールームの規模が競合企業と比べても最も大きいこと。そして山善ならではの工作機械やその周辺部品など、幅広く扱う点も、信頼感につなげていけると思います。
金屋さんの活動拠点でもあるチカラン事務所は、来年移転予定だとか。
新しく購入した場所で、現在の倍以上のスペースを確保できる予定です。チカランはジャカルタから車で1時間ほどのところに位置する工業団地で、日系企業の工場も多い地域です。山善インドネシアのエンジニアたちは基本的にチカランに所属していて、ここからお取引のある企業に出向きます。新事務所はショールームを拡充させる計画なので、既存の二輪・自動車のマーケットも引き続き見守りつつ、新しい業界のお客様とつながる、ビジネスチャンスを掴む場所になるよう活用していきたいと考えています。
最後に、金屋さんがチーム山善の一員として、大切にしていることを教えてください
インドネシアスタッフの方々とは基本的に英語を使ってコミュニケーションを取っています。山善歴が長い方も多いですし、一緒に会社の成長を加速してくれるかけがえのない戦友です。山善スタッフ、お客さま、同業他社の方々含め、本当にいろんな人との出会いがあって、今の私があります。インドネシア赴任して得た、かけがえのない人とのご縁のおかげで、周りの人を巻き込みながら、助けてもらいながら、なんとか5年間を過ごすことができました。笑顔を大切に、これからも相手のことを考える力を養いながら、いつもみなさんに元気を与えられる存在でいたいと思います。
※このインタビューは2025年10月に行いました。部署名等は取材当時のものです。

海外事業部 アセアン機械部 インドネシア(ジャカルタ駐在)
2016年、山善の総合職として入社。大阪本社の海外事業部に配属され、インサイドセールスとしてベトナム案件を担当。英語力を活かしてベトナムチームの主要メンバーとして経験を積み、2021年からインドネシアに駐在。休日はトレイルランニングやゴルフもたしなむアクティブなセールスパーソン。