ロボットがモノを運び、人を案内し、清掃を担うなど、ロボットと人が共存する未来社会を一足先に体感できる2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)。9月1日〜15日には山善のトータル・ファクトリー・ソリューション(TFS)支社が、未来社会ショーケース事業における「スマートモビリティ万博」の一環として実施される「ロボットエクスペリエンス」に参加し、「ロボット&モビリティステーション」で『ロボットが撮るんです。』展を実施。その展示に情熱を注いだ藤原リーダー率いる若手社員4人が集結。ロボット技術とエンタメ分野を融合させた世にもユニークなプロジェクトの裏側を語ります。
山善が扱う協働ロボットが万博会場に登場
大阪に本社を構える山善が、地元開催の大阪・関西万博で披露した『ロボットが撮るんです。』展。まずは内容を教えてください。
藤原:「ロボット&モビリティステーション」内のブースに二つの協働ロボットを持ち込みました。ロボットと共存する社会のイメージを体験してもらうために、一つは記念撮影を行うためのロボットとして。ランダムに選ばれた背景に合わせて、ロボットが最適な位置にアームを動かしてアングルを自動で調整し、搭載カメラで撮影した画像はその場でプリントし、無料で差し上げます。もう一つは、日本の伝統芸能である獅子舞の装飾をしたロボットです。獅子舞らしい動きで来場者をおもてなしします。
今回のプロジェクトメンバーはどのように選出されたのですか。
藤原:上司から万博出展についての話をもらったときに、同じTFS支社内でも異なる分野で活躍している若手メンバーを集めて挑戦したら面白いことができるんじゃないかな、と思ったのがきっかけで、私が招集させていただきました。
福田:私自身、この7月に山善に入社したので、藤原さんに声をかけてもらったのは驚きでした。そしてまさか協働ロボットで“獅子舞”にチャレンジすることになるとは思ってもなかったです(笑)。
木村:福田さんは、ロボットのシステムに詳しいから頼りになりますよね。私も声がかかるとは思っていなかったので、戸惑いましたが、普段のデジタル図面を作成してお客様と営業担当のコミュニケーションを円滑にする役割を、今回の万博でも活かしたいと思いました!
藤村:私はメンバーの中では最年少で、責任重大だなと思いつつ、大学がロボットとは無縁の学部出身なので、ロボットに馴染みのない、来場の方々に近い目線でお話できる点で選んでもらったのかな?と思ってます(笑)。
また、今回使うロボットに協働ロボット「TECHMAN」※を採用しようってすぐに決まったのですが、普段、私が販売しているロボットなので、より一層頑張ろうと思いましたし、「TECHMANなら色々なことが実現できる」という思いが、チームのみんなにあることが分かった時は嬉しかったです。
藤原:「TECHMAN」は約5年前から正規代理店として販売していて、年間トップクラスの台数を国内の生産現場に納品しているので、販売に携わっている身として、『協働ロボットをいろんな人に見ていただける絶好のチャンス!』と、満場一致でした。
※TECHMAN:台湾の世界トップクラスの協働ロボットメーカー・テックマン社のロボット
産業用ロボットと協働ロボットの大きな違いはなんですか。
福田:簡単に言うと、産業用ロボットは、人の作業スペースと隔離するために安全柵で囲う必要がありますが、協働ロボットは、安全が考慮されているので、センサー設置などの対策をすることで、安全柵なしで人と一緒の場所で働けます。 万博でロボットを身近に感じてもらいたいと思っているので協働ロボットはピッタリですよね。
ロボットと人が共存する未来、みんなにワクワクを届けたい
プリクラのような撮影スタイルと獅子舞という今回の出展ですが、完成した展示を見た感想はいかがでしたか?
木村:万博会場での本番直前、社員に向けて行った体験会が思い出深いんですが、体験してみて想像以上に楽しかったです。背景の画像に合わせてポージングしたり、年齢性別問わず全員がすごく楽しそうでホッとしました。
藤村:私も生産現場で動く「TECHMAN」しか見たことなかったので、写真を撮ったり、獅子舞になったりしている様子を見て「こういう使い方もできるんだ!」と新しい発見になりました。
実際のお客様の反応をみていかがでしたか?
木村:記念にお持ち帰りいただく写真なので、グループで撮影しても綺麗に映るように工夫したんですが、 画像を見て「おぉー」と感嘆の声もあがっていて嬉しかったです。私が対応した中では最大8名で撮影していました!それに背景の景色と重なる自分たちを見ながら撮影するって、シンプルに楽しい時間だと思います。
そういえば、福田さんは“獅子舞ロボット”を任されたとき悩んでましたよね?
福田:最初に「獅子舞ロボットにしたい」と言われた時は、正直『え、どうやるの!?』って思いました(笑)。「口をパカパカしてほしい」なんてリクエストがあったり(笑)。
調べてみると、獅子頭をつけた獅子舞ロボットはあるけど、おもちゃ的なもので。そこに人がしている本物の獅子舞の動きや、アトラクション的なダイナミックさも意識して取り入れました。
藤村:獅子舞を撮影している人も多かったですよ。
福田:嬉しいです。一見、獅子舞がロボットとわからないので、撮影したロボットと同じとわかるとお客様も驚いてくれたり、子どもたちが目をキラキラさせてくれたりして、やってよかった!って思いました。
木村:藤村さんは写真を渡すことも多いから、結構お客様と話してたよね。
藤村:そうなんです、意外にも女性から「どんなロボットなんですか?」と質問されることも多くて。いつもBtoBのお客様とは、どんなスペックなのか、何ができる・できないの話になるので、来場者の方と関わる中で、本来、ロボットってエンタメ的な、ワクワクする存在なのだと、改めて実感できました。
与えられた機会の先で新しい扉が開く
藤原:映え写真を撮影する協働ロボットを万博でお披露目という、初めてづくしのプロジェクトだったけど、参加して気づいたことって何かあった?
福田:産業用が基準となってお掃除ロボットが生まれて普及したように、今後は家電分野にロボットがどんどん進出していくと思うんですよね。ロボットも家電も扱っていて、スピーディに販売できることは絶対、山善独自の強みになる。今回、入社して間もない私に貴重な機会を与えてもらえて、自由に開発をさせてもらえた。風通しの良い柔軟な社風を感じる機会にもなりました。
木村:それに今回のプロジェクトは若手が進めるということで、私とか比較的若いメンバーが中心で。今は年齢、性別、社歴に関係なくチャンスをもらえたことに感謝しています。遊びに行く側じゃなく、出展する側として万博に参加できた、そんな機会がもらえて本当にラッキーです。
ずばり山善をどんな会社と感じてもらえたと思いますか?
藤村:目標の「ロボットを身近に感じてほしい」という思いを来場者と共有できたと考えています。子どもたちに、将来はロボットに関われる山善で働きたいなと思ってもらえるような、夢ある会社であることをアピールできていたら嬉しいです。
福田:そうですよね。少子高齢化でどんどん働き手が減少していく中、これまで人が担っていた役割を自動化したい企業が増えてくる。山善らしいロボットを届けていきたいですよね。
木村:「獅子舞ロボット」もまさに人の代わりですよね。
福田:普段の業務では、お客様の要望を最優先でロボットのシステムを考えるので、いままでにないものを作ることって多いんです。獅子舞ロボットも同じ感覚で挑みました。
藤村:実際に、いろいろな国の、いろいろな世代の人が集まる万博で、協働ロボットを通じて、皆さんと楽しい時間を共有できることを目の当たりにして、私にとってもより身近な存在に変わったと言うか。テーマパークなどでも実用化できないかとか、新しいことを考えながら営業活動に活かしたいです。
藤原:ここ数年、ものづくりの現場を取り巻く状況は驚くほど変化しているから、山善の事業にしても働き方にしても、新しい発想を実践することがすごく大切。私自身、これから産休・育休に入るので、結婚して出産しても当たり前のように戻って活躍できる、女性社員がめざしたくなるロールモデルになりたいと思っています。
藤村:また藤原さんと一緒にお仕事できる日を楽しみに、ロボットの知識も人間力も増しておきますね!
※このインタビューは2025年9月に行いました。部署名等は取材当時のものです。
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