2022.11.02
- 社員インタビュー
受け身の物流から“攻めの物流”へ──。イノベーションを味方に“お役立ち”と“社会貢献”を実現する山善。
- 成長戦略
代表取締役社長
岸田 貢司
Koji KISHIDA
ともに、未来を切拓くために。先の見えない時代だからこそ進取果敢にリードする。
2023.11.17
機械工具商として始まり、現在では「生産財」と「消費財」を扱う専門商社としてグローバルに事業を展開する山善。日本経済の競争力が低下している中、同社が目指す未来と展望とは。2023年4月に代表取締役社長に就任した岸田が意気込みを語る。
工作機械、産業機器、機械工具などの「生産財」と、住宅設備機器、家庭用品などの「消費財」、これら2つの異なる分野を主体事業とする専門商社として、国内外で幅広くビジネスを展開する山善。2022年4月に、会社の指針となる同社初のパーパス「ともに、未来を切拓く」、そして、2030年ビジョンとして「世界のものづくりと豊かなくらしをリードする」を据え、さらなる企業価値向上を目指している。
「私は、社長就任後、日本各地で大変多くの仕入先や販売先の方々とお会いしてきました。その中で強く感じたのは、日本のものづくりの実力の深さと計り知れない可能性。当社のパーパス通り、製販に携わる皆さんと『ともに、ものづくりの未来を切拓いていく』ことが与えられた使命だと感じています。つまり、私の社長としての務めは、『世界のものづくりと豊かなくらしをリードする』というビジョンを国内外で具現化していくことに尽きるのです。お取引先様と『ともに、』先の時代へ向かうためにも、今こそ用意した戦略を実践に移す時と考えています」。 |
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山善の経営におけるキーワードはダブルウィング。生産財と消費財、国内と海外など、既存の枠にとらわれない柔軟な考え方で、新しい価値の創造と経営の安定化を図っている。その土台として何より大切にしているのが人財だ。こうした考え方は、創業以来、脈々と受け継がれているものだと言う。
「山善は、創業者の山本猛夫が、戦後間もない昭和22年に『やったるわい!』の精神で起こした独立自尊の気概たくましい会社です。私たちは、社員を、ただ指示に従う『従業員』ではなく、自ら業を成す『自業員』と呼びます。つまり、人こそがすべてであり、人の育成に心血を注ぐ『人づくりの経営』を理念としています。もう1つは、時代や環境の変化に柔軟に対応し、革新と創造に挑戦する『切拓く経営』です。この2つは当社が健全な成長と発展を実現するために、ぶれてはならないものです。これらを、創業以来のDNAとして大切に守り続けていきたいと思っています」。 |
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また、国内外にまたがる独自のネットワークや、仕入先・販売得意先との強固な関係性は、一朝一夕では確立できない山善の強みだ。
「主に、国内の生産財事業におけるネットワークの礎となっているのが、1975年から48年間続く『どてらい市』です。創業者・山本猛夫をモデルにした『どてらい男』(小説・ドラマ)からネーミングしたこのイベントは、地域のものづくりと地域産業の活性化を目的とした展示即売会で、毎年、全国20カ所以上で開催。近年は、人手不足による自動化・省人化や、ロボット・IoT・AIを活用したソリューション提案も積極的に行っています」。 |
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「海外事業においては、今から60年前の1963年に米国シカゴに事務所を開設して以来、その事業を拡大。現在は、拠点HQを北米、台湾、中国、アセアンとし、海外4支社体制のもと、14カ国・地域に64の拠点を有しています。ここで、地域密着型の販売体制と、高度なサービス機能を備えた技術・エンジニアリング体制を展開しています。現地では技術専門商社として『YAMAZENブランド』が定着しており、高いプレゼンスを確立できているものと自負しています」。 |
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今、日本経済の競争力低下が叫ばれている。そうした中、山善が目指すべき未来について、岸田はどう考えているのか。
「専門性の向上を意識した経営がキーになるでしょう。『人づくり』で得た人財がより高い専門性を持ち、お取引先様に対するプロアクティブ(先取りする)な提案を連打していく。地域の販売店様を通じて生産現場のお困りごとを解決するだけではなく、+αのソリューションが提供できる高いレベルの専門集団でなければなりません」。 |
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「海外事業においては、経営の現地化をさらに進めます。グローバル市場は、業態も地理的にも変化が極めて速く、ナショナルスタッフ(外国人社員)の指導力なくしては成し遂げられない時代です。昨今注目されているグローバルサウスにおいても、既に7つの拠点を有するインドで、体制を強化していきます。また、消費財分野では、家庭機器事業におけるBtoBビジネスの強化、住建事業における非住宅関連事業への注力、スマートエネルギー機器の販売強化などをさらに推進します。地球環境の変化を含め世界の情勢はVUCAの時代と言われています。だからこそ山善は、固定観念にとらわれず進取果敢な姿勢で、世界のものづくりと豊かなくらしをリードする企業として挑戦し続けます」。 |
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※日経BPの許可により日経ビジネス2023年10月16日号、日経ビジネス電子版2023年10月17日-11月16日に掲載した広告を一部改変して転載したものです。
株式会社山善 代表取締役社長。1983年入社。国内で工作機械営業を10年間担当した後、1994年から約20年にわたって米国に駐在。2012年4月、USA支社長 兼 YAMAZEN INC. 社長 兼 PLUSTECH INC. 社長に就任。2015年に帰国。以降は、欧米に加え、中国・東アジア・アセアンを含めた海外生産財事業を統括。2023年4月、代表取締役社長に就任。